医療コラム

お知らせ

「クラミジアは症状がない人も多い?」 無症状でも感染している可能性について

「パートナーは陽性、自分は何ともない」という方へ

「パートナーがクラミジア陽性だったと言われたんですが、自分には何も症状がないんです」

当院でも、このようなご相談を受けることが少なくありません。

クラミジアというと、排尿時の痛みや尿道から膿が出るといった症状をイメージされる方も多いかもしれません。しかし実際には、感染していてもほとんど症状が出ない方がいらっしゃいます。

「症状がないから、自分は感染していないだろう」

そう考えていた方が、検査をしてみると陽性だったというケースも、日々の診療の中で経験します。

今回は、クラミジアはなぜ症状が出にくいのか、無症状のまま放置するとどうなるのか、そして検査や治療についてお話ししたいと思います。


クラミジアはなぜ症状が出にくいのか

クラミジアは、「クラミジア・トラコマチス」という病原菌によって起こる性感染症です。

男性では主に尿道に感染し、尿道炎を引き起こします。

ただし、淋菌による尿道炎と比べると、炎症が比較的軽く、症状が目立ちにくい傾向があります。

例えば、

  • 排尿時に少し違和感がある
  • 尿道が何となくムズムズする
  • 朝起きたときに、尿道から少量の分泌物が出る
といったケースがあります。

もちろん、はっきりとした痛みや分泌物が出る方もいますが、症状が軽いために気づかなかったり、我慢して過ごしてしまう方も少なくありません。

女性の場合はさらに自覚症状が乏しいことが多く、感染していても気づかないまま経過することがあります。

クラミジアの厄介なところは、「症状がないこと」と「感染していないこと」が同じではない、という点です。

これは、診療の中でも特にお伝えしたいことの一つです。


症状がないまま放置するとどうなる?

症状がないと、そもそも病院を受診するきっかけがありません。

そのため、感染に気づかないままパートナーにうつしてしまったり、治療を受けずに長期間経過してしまったりする可能性があります。

男性の場合、感染が尿道から広がり、精巣上体炎を引き起こすことがあります。精巣上体炎になると、陰嚢の痛みや腫れ、発熱などがみられることがあります。

女性の場合は、子宮頸管から子宮や卵管へ感染が広がり、骨盤内炎症性疾患を引き起こすことがあります。そして将来的な不妊のリスクにつながることもあります。

こうした話を聞くと、不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、クラミジアは適切な抗菌薬によって治療できる感染症です。

大切なのは、症状がないからといって放置せず、必要なタイミングで検査を受けることだと思います。

ちなみに、一般的な健康診断や人間ドックには、クラミジアの検査は通常含まれていません。

そのため、パートナーの感染が分かったことをきっかけに、初めて検査を受ける方も多いのが実情です。


クラミジアの検査は尿だけで大丈夫?

男性のクラミジア検査では、尿を採取して調べる方法が一般的です。

通常は、排尿し始めの尿(初尿)を採取し、クラミジアの遺伝子を検出する検査を行います。

尿を採るだけですので、痛みを伴う検査ではありません。

ただし、ここで知っておいていただきたいことがあります。

クラミジアは尿道だけでなく、のど(咽頭)にも感染することがあるという点です。

特にオーラルセックスによって、咽頭に感染する可能性があります。

咽頭クラミジアは自覚症状がほとんどないことも多く、尿検査だけでは咽頭の感染を確認することはできません。

当院では、尿の検査だけでなく、必要に応じて咽頭の検査にも対応しています。

性的接触の内容や感染の可能性をお聞きしたうえで、どの部位を検査するのが適切か、一緒に考えていきます。

また、クラミジアと同時に淋菌の検査を行うことも可能です。

「何をどこまで調べたらいいのか分からない」という方も、まずはご相談いただければと思います。

なお、感染して間もない時期は検査で検出できない場合もあるため、検査のタイミングについても確認することが大切です。


症状がない場合、検査は自費になる?

性感染症の検査について、費用を気にされる方も多いと思います。

症状がなく、感染の有無を確認するための検査を希望される場合は、原則として自費診療となります。

しかし、パートナーがクラミジア陽性と診断されている場合など、感染が疑われる状況によっては、保険診療で検査を行えることもあります。

そのため、無症状だから必ず自費になるというわけではありません。

ただし、検査する部位や検査の組み合わせによっては、一部の検査が自費診療となる場合があります。

当院では、症状や受診のきっかけなどを確認したうえで、検査内容や費用についてご案内しています。

自費診療の検査費用については、当院ホームページの料金案内もご参照ください。

自費診療について詳しくはこちら


クラミジアの治療と、治療後に気をつけること

クラミジアの治療は、抗菌薬の内服が基本となります。

使用する薬剤によって、1回の服用で治療する場合もあれば、数日間継続して内服する場合もあります。

大切なのは、医師の指示どおりに服用することです。

また、クラミジアの治療では、もう一つ重要なことがあります。

それは、パートナーの検査や治療も一緒に考えることです。

自分だけが治療を受けても、パートナーが感染したままだと、再び感染してしまう可能性があります。

そのため、パートナーも適切に検査・治療を受けることが大切です。

治療後も、本人とパートナーの治療が完了し、必要な期間が経過するまでは、性行為を控えていただくようお伝えしています。

また、治療後に再検査が必要かどうかについても、感染部位や治療内容、再感染の可能性などを考慮して判断します。

「相手にどう伝えたらいいのか分からない」という方もいらっしゃると思います。

性感染症は、決して特別な人だけがかかる病気ではありません。

お互いの健康を守るためにも、必要な検査や治療を受けていただきたいと思っています。


院長より

「何も症状がないのに、わざわざ受診してよかったんでしょうか?」

診察の際に、このように聞かれることがあります。

僕は、症状がなくても、感染が心配であれば検査を受けることには十分意味があると思っています。

検査をして陰性であれば、一つの安心材料になりますし、陽性であれば、症状がないうちに治療につなげることができます。

実際の診療では、仕事の付き合いで行った性風俗店を利用したあと、感染が心配になって受診される方も多くいらっしゃいます。

『もし感染していて、それをパートナーにうつしてしまったら・・・。』

そんな不安を抱えながら、なかなか相談できずにいる方も少なくありません。

クラミジアは症状がなくても感染している可能性のある感染症です。だからこそ、自身の健康だけでなく、大切なパートナーを守るためにも気になることがあれば一度検査を受けていただきたいと思っています。

「パートナーが陽性だった」「以前の性行為が少し気になっている」

そんな理由での受診でも、まったく問題ありません。

心配なまま過ごすより、まずは相談していただければと思います。


岐阜市でクラミジアの検査をご希望の方へ

岐阜市の「かとう泌尿器科・内科クリニック」では、クラミジアをはじめとした性感染症の検査・治療を行っています。

男性の尿道クラミジアだけでなく、必要に応じて咽頭クラミジアや淋菌などの検査、最近増加しているマイコプラズマ・ジェニタリウムや梅毒の検査・治療にも対応しています。

性感染症については、なかなか人に相談しづらいと感じる方も多いと思います。

受付で詳しい事情をお話しいただく必要はありませんので、診察室でご相談ください。

症状がなくても、パートナーの感染が分かった方や、感染の可能性が気になる方は、お気軽にご相談いただければと思います