医療コラム

お知らせ

「パイプカット(精管結紮)を岐阜で受けるには?」 初診から手術当日、その後の流れまで

もう子どもは考えていない、というご夫婦から

「これ以上子どもを増やす予定はない」「夫婦で話し合って、今後は妊娠を希望しないことに決めた」

そんなご夫婦から、男性側の避妊方法としてパイプカットについて相談を受けることがあります。

パイプカットとは、精子の通り道である「精管」を切断・閉鎖することで、精液に精子が混ざらないようにする手術です。男性が主体となって行う、長期的な避妊方法のひとつです。

ただ、いざ手術を検討しようと思っても、「どんな手術なの?」「痛みはある?」「仕事は休まないといけない?」「手術後はいつから避妊できるの?」など、わからないことも多いのではないでしょうか。

費用についての情報は見つかっても、実際に受診してから手術を終えるまでの流れは、なかなかイメージしにくいものです。

今回は、当院で行っているパイプカットについて、初診から手術当日、術後の確認までを順番にお話ししたいと思います。


手術を決める前に、知っておいてほしいこと

まず、手術の内容よりも先にお伝えしたいことがあります。

それは、パイプカットは基本的に元に戻すことを前提としない手術であるということです。

切断した精管を再びつなぐ「精管再建術」という方法はありますが、再建できたとしても、必ず精子が出るようになるわけではなく、妊娠できる保証もありません。そのため、「将来、もう一度子どもが欲しくなるかもしれない」という気持ちが少しでもある場合は、慎重に考えていただきたいと思っています。

また、手術を受けても男性ホルモンの分泌や勃起機能、射精そのものが失われるわけではありません。精液の大部分は精嚢や前立腺から分泌されるため、射精時の精液量も通常は大きく変わりません。

初診では、こうした身体への影響や手術のメリット・デメリットについても、時間をかけて説明しています


初診から手術日が決まるまで

パイプカットをご希望の場合、まずは診察の予約をお取りいただきます。

初診では、手術の方法、麻酔、術後の生活、合併症などについて説明し、ご納得いただけた場合に同意書へ署名していただきます。

当院では、初診当日にそのまま手術を行うことはありません。

一度ご自宅に帰って、パートナーと改めて相談していただいても構いません。決して急いで決める必要のない手術だからです。

手術を希望される場合は、感染症などを確認するための術前血液検査を行います。

手術は原則として水曜日・金曜日・土曜日の12時30分から行っています。術前検査の結果を確認したうえで、ご都合を伺いながら手術日を調整します。

また、血液をサラサラにする薬を服用している方や、持病のある方は、事前にお知らせください。手術に際して特別な配慮が必要になる場合があります。


手術当日は、こんなふうに進みます

手術当日は、予約時間の10分ほど前にお越しいただきます。

手術当日は入浴を控えていただくため、ご自宅でシャワーや入浴を済ませてから来院してください。

手術は局所麻酔で行いますので、基本的に食事制限はありません。

「麻酔の注射が怖い」という方もいらっしゃいます。

当院では、まず塗る麻酔を使用し、その後、細い針でゆっくりと局所麻酔を行います。痛みを完全になくせるわけではありませんが、できるだけ負担を減らせるように工夫しています。

麻酔が十分に効いたことを確認してから、左右の精管を処理していきます。

当院では、精管を切断し、結紮し、さらに断端を焼灼する方法を組み合わせています。精管が再びつながるリスクをできるだけ低くするためです。

手術時間は、左右合わせておよそ30分です。

手術中は意識がありますので、会話もできます。痛みや違和感があれば、その場で遠慮なく伝えてください。

手術後は、痛み止めや抗生剤などの必要なお薬をお渡しして、ご帰宅いただく流れです。

当院では手術専用の時間を確保し、プライバシーにも配慮しています。基本的におひとりで来院していただいても問題ありません。


手術後の生活で気をつけること

手術後は、陰嚢に軽い痛みや腫れ、皮下出血などが生じることがあります。多くは時間とともに改善しますが、まれに血腫や感染、慢性的な痛みなどが生じることもあります。

術後数日間は、激しい運動や重いものを持つ作業、性行為などを控えていただきます。

シャワーは基本的に翌日から可能ですが、湯船につかることやサウナは、傷の状態を見ながら再開していただきます。

デスクワークであれば比較的早く復帰できる方が多い一方、身体を使うお仕事の場合は、当日は休養を考えておくと安心です。

当院では、術後約1週間で傷の確認を行っています。

強い痛みや腫れ、発熱、出血などがある場合は、予定の受診日を待たずにご連絡ください。


手術後、いつから避妊できるの?

ここは特に大切なポイントです。

パイプカットを受けたからといって、その日から避妊効果が確実になるわけではありません。

手術後もしばらくは精管の先に精子が残っているため、射精を繰り返すことで、残っている精子が徐々に排出されていきます。

そのため、術後には必ず精液検査を行い、精子が残っていないか確認する必要があります。

一般的には術後4週間程度を目安に、射精回数なども考慮して精液検査を行います。検査結果によっては一定期間をあけて再検査が必要になることもあります。

当院では術後の診察時に検査用の容器をお渡しし、適切な時期に精液を提出していただきます。

検査で所定の基準を満たし、医師から避妊を終了してよいと説明されるまでは、必ずほかの避妊方法を続けてください。

また、パイプカットには性感染症を予防する効果はありませんので、その点も知っておいていただきたいと思います。


パイプカットの費用について

パイプカットは自費診療となり、健康保険は適用されません。

当院では、手術費用や診察、検査にかかる費用について、初診時に詳しくご説明しています。

費用については、当院ホームページのパイプカットのページにも掲載していますので、あわせてご確認ください。

パイプカットについて詳しくはこちら


院長より|迷っている段階でもご相談ください

「先生、パイプカットをして後悔する人もいますか?」

診察室で、こんな質問を受けることがあります。

僕はそのとき、「後悔する可能性がないとは言えません」とお伝えしています。

今はもう子どもを希望していなくても、将来の気持ちや生活環境が変わることはあるからです。

だからこそ、僕は手術の技術的な説明だけでなく、「ご自身が本当に納得されているか」「パートナーと十分に話し合えているか」ということも大切にしています。

「一度持ち帰って、もう少し考えます」

そう言って帰られる方もいらっしゃいますが、それでいいと思っています。

パイプカットは、急いで受ける手術ではありません。十分に理解し、納得したうえで選択していただきたいと考えています。


岐阜市でパイプカットを検討している方へ

岐阜市のかとう泌尿器科・内科クリニックでは、泌尿器科専門医として、パイプカットのご相談から手術、術後の確認まで対応しています。

「まだ迷っているけれど、まずは話を聞いてみたい」という方も歓迎しています。

おひとりでの受診でも、パートナーと一緒の受診でも構いません。

気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。